研修プログラム
研修は、1ヶ月間から3ヶ月間の研修であるが、それぞれの研修計画表(図1・図2)に基づいて研修を行う。
研修計画表・精神科1ヶ月間の研修モデル(図1)
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |
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1週目 [午前] | オリエンテーション | 回診 カンファレンス | 入院患者の把握 外来(予診、陪審) |
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1週目 [午前] | 病棟(検査技術、症例担当) | 入退院カンファレンス | |||
2週目 [午前] | 治療計画の作成 | 回診 カンファレンス | 入院患者の把握 外来(予診、陪審) |
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2週目 [午後] | 心理教育 | 病棟(検査技術、症例担当) | 入退院カンファレンス | ||
3週目 [午前] | 外来(予診、陪審) | 回診 カンファレンス | 入院患者の把握 外来(予診、陪審) |
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3週目 [午後] | 病棟(症例担当、チーム医療ミーティング) | 入退院カンファレンス | |||
4週目 [午前] | 外来(予診、陪審) | 回診 カンファレンス | リエゾン 精神医学 | 地域支援システム | 総括評価 |
4週目 [午後] | 病棟(症例担当のまとめ) |
研修計画表・精神科2-3ヶ月間の研修モデル(図2)
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |
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1週目 [午前] | 治療計画の作成 | 回診 カンファレンス | 入院患者の把握 外来(予診、陪審) |
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1週目 [午前] | 病棟(検査技術、症例担当) 臨床講義 | 入退院カンファレンス | |||
2週目 [午前] | 治療計画の作成 | 回診 カンファレンス | 入院患者の把握 外来(予診、陪審) |
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2週目 [午後] | 病棟(検査技術、症例担当) 臨床講義 | 入退院カンファレンス | |||
3週目 [午前] | 外来(予診、陪審) | 回診 カンファレンス | 入院患者の把握 外来(予診、陪審) |
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3週目 [午後] | 病棟(症例担当、チーム医療ミーティング)、臨床講義 | 入退院カンファレンス | |||
4週目 [午前] | 外来(予診、陪審) | 回診 カンファレンス | リエゾン 精神医学 | 地域支援システム | 総括評価 |
4週目 [午後] |
- オリエンテーションでは、研修の理念と目標、研修の実施日程の説明を行う。精神保健福祉法(以下、法)に基づいた入院形態と処遇の問題、医療法や保険診療など精神科医療に必要な基本的事項についてオリエンテーションレクチャーを行う。また研修の場やスタッフについてのオリエンテーションも行う。
- 外来患者の診察は、まず新患患者の予診をとり陪診する。また、複数の医師の外来を陪診し多くの症例を経験するようにする。入院に至った症例は、可能な限り担当医となる。1ヶ月程度の経験の後は、再来患者の数症例を担当医として診療する。
- 入院患者の診察であるが、受け持つ患者は任意入院と医療保護入院の患者を各々1名以上とし、法に基づく人権に配慮した入院治療を行う。また統合失調症、躁鬱病、老年期の認知症、不安障害(神経症)、薬物依存(アルコール依存症)、児童思春期の精神障害などについて、できるだけ新規入院患者を担当する。定期的に担当患者の精神状態像と重症度を判定し、治療経過について指導医から指導を受ける。担当患者の心理検査、脳波検査、神経画像検査などに立ち会い、検査技術や結果の解析を学ぶ。
- 臨床講義(図2)は、医師、心理士、精神保健福祉士、作業療法士などの各講師により
- 面接と診断
- 脳波
- 心理検査と精神療法
- 精神保健福祉法
- 精神障害者福祉活動
- 作業療法
- 統合失調症
- 気分障害
- 脳器質性(認知症を含む)、症状性精神障害
- 神経症性障害
- 人格障害
- 児童思春期精神障害
- 睡眠障害
- 中毒性精神障害
などの内容について行われる。
- リエゾン精神医学研修とは、連携体制を取っている総合病院に指導医とともに往診し、精神症状を合併した入院患者の治療にあたる。
- 地域支援システムの研修とは、保健所、児童相談所、介護老人保健施設、介護老人福祉施設、各種社会復帰施設(福祉ホーム、グループホーム、作業所、福祉工場、援護寮など)を訪問する。また、デイケア等の活動に参加する。
- 最終日には担当した症例を発表し評価を受ける。ただし3ヶ月研修の場合は、2ヶ月目終了日に中間間発表を行う。研修期間中に開催される院内全体での症例検討会(第3月曜日)、ケースカンファレンス、入退院カンファレンス、コメディカルスタッフのミーティング、学校精神保健学習会(第4木曜日)や精神神経薬理の勉強会(第2水曜日)には積極的に参加して理解を深める。