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【院長コラム】山大精神科同門会誌 寄稿文

山大精神科同門会誌に水木院長が寄稿しましたので、文面を掲載いたします。

 下関病院のご紹介

この度は当院紹介の機会を与えていただきありがとうございます。下関病院は300床の単科精神科病院です。下関山陰側の安岡地区にあり、下関北バイパスを通れば下関ICからの所要時間は車で15分程度です。将来的(10-20年後?)に下関への山陰道の延伸が進み、彦島-小倉を結ぶ予定の第二関門橋(仮)が完成すれば、山口県内や北九州市街地へのアクセスがさらに向上するのではと期待しています。

20235月に新型コロナウイルス感染症は2類から5類感染症へと移行し、3年半に及んだコロナへの特別対応は一つの区切りを迎えました。全国の精神科病院同様に、当院でもコロナ禍において入院数が落ち込みましたが、2023年度は回復して病院全体で年間477名の入院がありました。そのうち精神科救急急性期入院料(いわゆるスーパー救急)を算定する急性期病棟の入院数は320名で、当院では思春期から高齢者患者まで様々な疾患の急性期対応を行っています。また、50床の認知症治療病棟を有し、附属地域診療クリニックの物忘れ外来と連携し、認知症疾患医療センターとして認知症への各種取り組みを行っています。病院は認知症学会・老年精神医学会の専門医研修施設となっており、各学会の専門医取得が可能です。なおクリニックは、202312月に承認されたアルツハイマー病治療薬レカネマブの初期導入可能施設(20249月現在、県内9施設)となりました。

そして、当院では2022年度より長期入院患者の退院促進を行い、開放病棟(100床)の再編成をしました。それにより2023年からストレスケア病棟(50床)と慢性期病棟(50床)の運営を始めています。ストレスケア病棟の立ち上げにあたり、不知火病院(福岡)や草津病院(広島)のストレスケア病棟を病院スタッフと共に見学し、運営のノウハウについて教えていただきました。さらに当院の特色を活かしていくために、どのような病棟を作り上げるのかビジョンやミッションについて病棟スタッフとディスカッションを重ねました。4つのミッションのうち、安心できる環境を整えること、社会とのつながりを維持しながら療養することに対して、ストレスケア病棟ではスマホ/携帯電話などの通信機器の使用を解禁し、WiFiが使える環境を整えています。また、個別の治療プログラム「あすPLUS」を提供する事により、多職種で、患者一人ひとりに合った治療・支援するというミッションを実践しています。さらにストレスケア病棟では、難治性うつ病に対してrTMS(反復経頭蓋磁気刺激)治療も行っており、「未来につながる“今”をともに」というビジョンのもと、うつ病などの気分障害治療に特化した病棟編成ができたのではないかと考えています。20246月からは職場復帰のためのリワークプログラムを作成し、コロナ禍でより顕在化したといわれる休職患者への復帰プログラムの提供を行っています。病棟の詳細につきましては、当院ホームページをリニューアルしていますのでご参照いただければと思います。

 2024年度から医師の働き方改革が施行されましたが、当院では勤怠管理システム(クロノスXronos)を導入して労働時間管理や残業時間の多い職員へのケアをしています。また、職員の高齢化や医療人材の獲得が困難な状況に対して、健康経営の一環として健康管理システム(ウェルサWELSA)を用いて、健康診断やストレスチェックなどの健康情報の一元化を進めています。職員の労働時間情報・健康情報のDX化を推進することで、病気の早期発見(二次予防)だけではなく、潜在的な疾患リスクの把握に努め(一次予防)、各職員の健康意識の向上(0次予防)を目指していこうと考えています。

これからますます加速すると想定されている少子高齢化など地域を取り巻く医療環境は厳しいものがありますが、患者・家族にとって必要な医療、また地域に求められている医療は何かを問いながら病院運営を続けていきたいと思います。その上で、精神科医療を通して各職員がやりがい・働きがいを実感できるような職場環境づくりを行っていく所存です。今後とも山大精神科同門会皆様のご支援・ご協力をお願いいたします。

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