ご挨拶
入院治療中心の時代から、患者さんが地域で生きていくことをいかにサポートできるかということに精神医療の重点が移って来ています。 その為、当クリニックは下関病院から独立して、デイケアや就労支援事業(患者さんが仕事に就くための訓練の場)、専門外来を立ち上げ、 多職種によるチーム医療を提供しています。その一環として、この度児童思春期・思春期青年期専門外来を立ち上げました。
児童期においては自分が悩んでいることをうまく言葉で表現できなかったり、思春期青年期においては心身に及ぶ年齢特有の葛藤があったり、 人に相談するにはデリケートな問題を抱えていることがよくあります。これらの特徴から、児童期・思春期・青年期の患者さんの治療は多職種の チームで丁寧に行うことが必要です。この専門外来の医療チームは児童思春期の専門医、思春期青年期の専門医、臨床心理士、精神保健福祉士、 作業療法士、看護師からなる多職種で形成しています(役割は図表をご参照ください)。前山口県立大学教授の林隆医師は、全国的に活躍しながら、 県内の児童思春期医療を牽引するエキスパートです。中村尚史医師は、思春期青年期精神医学の大家である青木省三教授の愛弟子で、最高レベルの 環境で研鑽を積んできた専門医です。二人の専門医を有するだけでなく、多職種が時間を惜しまず丁寧に対応することが当医療チームの大きな特徴となっております。 さらに、これらの多職種が個別に動くのではなく、連携して患者さんに寄り添い、丁寧な医療を提供しております。
なお、心理的要因が大きいと考えられる場合でも、体の病気が隠れていることもあり、心理的要因ばかりでなく、身体的要因の探索も重要となります。 当クリニックには、てんかんの専門医、脳神経外科や神経内科の専門医もいることなど、心身両面へのアプローチが可能なことも当クリニックの大きな特徴です。
何でかよくわからないけど人とコミュニケーションがとれない、頭痛や腹痛が通院しても治らないなど、どんなことでも一度当クリニックにご連絡いただければ対応させて いただきますので、どうか気軽にご相談いただければ幸いと存じます。 今後さらに児童思春期・思春期青年期外来を充実させたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
院長 末次 正知
チーム医療におけるスタッフの役割<チームアプローチ>
専門医
確定診断・精神療法・薬物療法
看護師
相談窓口
臨床心理士
心理検査(知能および発達検査、人格検査など)
言語的介入(認知行動療法、精神分析的心理療法など)
非言語的介入(箱庭療法、絵画療法など)
精神保健福祉士
関係機関との連携(学校、児童相談所など)
社会資源活用への援助(自立支援医療、障害年金など)
作業療法士
個別アプローチ(個別作業療法、基礎体力向上訓練など)
集団アプローチ(社会生活技能訓練、レクリエーション療法など)